1.骨盤が傾く
さて、骨盤の歪みは、開閉システムの不具合だけでなく、
実は、骨盤の前後・左右への「傾き」も指すことがあります。
前回、骨盤の回りを囲む筋肉群
(腹直筋・脊柱起立筋・腸腰筋・臀部筋群・ハムストリングス)
などが、バランスをとっていますと説明しました。
この筋肉たちが上手くバランスが取れないと、
骨盤の位置が傾いたままになります。
問題なのは、骨盤が傾き過ぎることです。
骨盤は前後・左右どちらに傾きすぎても、
身体には相当な負担がかかります。
2.「骨盤の傾き」はなぜ起こる?
先ほど説明しましたが、
骨盤はいくつかの骨が組み合わさってできています。
骨が自分では動きません。動かしているのは筋肉です。
骨盤の周りで支えている筋肉が動くときのバランスが関係しています。
筋肉は互いに引っ張りあっています。
この引っ張り合いに強弱が出てくると、
どちらかに「傾き」ます。
そして特定の筋肉だけが過緊張する状態が長くなると、
どんどん骨盤の傾きが強くなり、
前後・左右の「傾き」が複合していき、
様々な不調につながります。
3.骨盤の傾きをチェックする方法
骨盤の前後の傾きや左右の差は、
自分でチェックすることができます。
◆骨盤が前傾しすぎている場合
・反り腰になる(おしりが突き出たような感じ)
・お腹が前に出やすくなる
・腹筋が弱くなりがち
・腰への負担が大きく、腰痛になりやすい
・背中や首などに痛みが生じることがある
◆骨盤が後傾しすぎている場合
・猫背になりやすく、姿勢が悪く見える
・肩こりになりやすい
・肩こり由来の腰痛や膝痛の原因にもなる
・ポッコリお腹
・背筋が弱くなりがち
◆「簡単なチェック法」
では実際に、自分の骨盤が前後・左右どちらに傾いている傾向があるのか?
身体の状態を知ることは、改善のための1歩。
簡単な方法で骨盤の傾きをチェックしてみましょう!
・立った状態(立位)でのチェック方法
1.壁を背にして、かかとをつけ、つま先を少し広げた姿勢で立つ
2.頭の後ろ、背中(肩甲骨)、お尻、かかとの4点を壁にしっかりとつける
3.壁と腰の間に手を入れてチェックする
・あお向けで床に寝た状態(仰臥位)でのチェック方法
1.膝をたてて、あお向けに寝る
2.床と腰の間に手を入れてチェックする
骨盤の位置が上手くバランスが取れている場合は、
腰に手を入れたときに、手のひら一枚分くらいのスペースが出来ます。
骨盤が前傾しているの場合は、
手がスカスカで、握りこぶしひとつが入りそうな状態です。
骨盤が後傾している場合は、手のひらを入れることが難しい、
あるいは全く入らない状態となります。
・骨盤の高さでのチェック
1.鏡の前に立ち、左右の骨盤(腰骨)の上にひっかけるように、手をおく
2.左右の手の位置が同じ高さかどうかを見比べる。
3.どちらかが低ければ、低いほうに骨盤が傾いている可能性が高いです。
※これらの方法で確認できる傾きは、
体型(おしりの大きさ)などの影響もあるので、
あくまで目安として考えてください。