▼目次
1.ストレスの「見える化」
さて、前回までは、
「ストレス」の原理としくみについて、
話をしました。
そして、「ストレス」の感じ方、捉え方は、
個人の問題ということも、お伝えしました。
ただ、個人の問題で帰結してしまうと、
すべてが主観のみでしか捉えられなくなってしまいますよね。
そこで、「ストレス」を客観的に数値化して、
「見える化」する試みが、アメリカで行われています。
1967年に、アメリカの社会学者Holmes&Raheが発表した、
【社会的再適応評価尺度】というものがあります。
それがこちら
全部で43項目あって、
今から数えて【過去1年間】に起きたイベントを選んで、
その合計数値で「ストレス」の度合いを測ります。
ただし、これが発表されてから約50年経っています。
いささか時代に合っていない点もあるかと思いますが、
そこは参考までにということで。
ちなみに私が「うつ」で最悪だった時を抽出したら、
こうなりました。
2.離婚 73点
3.夫婦の別居 65点
6.本人の怪我や病気 53点
8.失業、リストラ 47点
10.退職 45点
13.性生活の困難 39点
15.仕事上の大きな変化 39点
16.自身の経済状態の悪化 38点
19.夫婦喧嘩の回数の変化 35点
24.親戚関係のトラブル 29点
26.配偶者の就職、離職 26点
28.生活環境の変化 25点
29.趣味や習慣の変化 24点
30.上司とのトラブル 23点
31.労働時間・条件の変化 20点
32.引っ越し 20点
34.レクリエーションの変化 19点
35.社会活動の変化 19点
38.睡眠時間の変化 16点
39.家族の親密度の変化 15点
40.食生活の変化 15点
43.ごく軽い法律違反 11点
合計696点
この評価票によると、合計300点を超えたら、
身体的あるいは精神的病気を引き起こす確率が、
80%以上なんですけど、
見事にそのラインを超えて、優に2倍以上の高得点(!?)、
その確率どおりの発症を引き起こしていました。
もし、今のあなたが計算してみたら、
どうなるのか?
試しにやってみてください。
2.ストレスに良いも悪いもない
計算してみて、どうでしたか?
低かったあなたは、
とりあえずは大丈夫かもしれません。
けれども、高かったあなた…も、大丈夫。
以降お話しする対策を一緒にしていけば大丈夫。
さて、この「ストレス」評価票、
何か気になる点がありませんでしたか?
もう一度、質問事項をよく見てください。
わかったあなたは、さすが鋭い!
わからなかったあなたは、
まだそこまでの余裕がないだけかも。
例えば、
【7.結婚】とか【25.個人的な成功、事業の成功】や【41.休暇】
これ、どう感じます? どう思いますか?
そう、この評価票、悪い出来事だけでなく、
一般的には「良い」と捉えられる出来事も、
一緒に書かれているんです。
【7.結婚】にしても、
大恋愛で結ばれた結婚をする人もいれば、
親や家の事情で政略結婚を選ばざるを得ない人もいる。
【41.休暇】に至っては、
多趣味が生きがいの人にとっては良いことでも、
仕事大好き人間にとっては、むしろ邪魔に思える。
などなど、
つまりは、
「ストレス」には良いも悪いも関係なく、
「その出来事」が発生することそのものが、
「ストレス」だということです。
「健康コラム」
1.ストレスとは?
2.ストレスの良し悪し
3.ストレスの「見える化」 ←★いまココ
5.ストレスが伝わる経路
6.セロトニン神経の役割
7.セロトニン神経の習性
8.「抗うつ薬」は怖いのか?
9.セロトニン神経の活性方法(太陽)
10.セロトニン神経の活性方法(リズム運動)
11.セロトニン神経の活性方法(グルーミング)
12.【抗うつ薬】を勝手に止めてみた1
13.【抗うつ薬】を勝手に止めてみた2
14.【抗うつ薬】を勝手に止めてみた3
15.【抗うつ薬】を勝手に止めてみた4