▼目次
1.ストレスが伝わる経路がある
前回は、「ストレス」の種類が、
大きく分けて4つあるとお話しました。
今回は、ストレスがあなたや私のからだに、
どの様に作用して悪影響を及ぼすか、話をします。
2.ストレスの経路は2つある
あなたや私のからだにストレスが加わると、
反応症状が起きます。
実は、ストレス反応の経路には、
「身体的な症状や痛みを発症する経路」
「精神的な症状や痛みを発症する経路」
の2種類あることがわかっています。
それを図式に表したのが、こちら。
3.身体的なストレス経路
まずは、身体的なストレス症状を引き起こす経路を説明します。
(図の右側の話です)
外面的(物質的・化学的)ストレス、あるいは、
内面的(心理的・身体的&生理的)ストレス、が加わると、
それらが情報として、身体の中に張り巡らせた神経を通ります。
身体の中に張り巡らされた神経を通って、
最初に脳の「視床」に行きます。
次に、大脳皮質あるいは大脳辺縁系を介して、
ストレス中枢の視床下部にある「室傍核」に届きます。
「室傍核」は、CRHという「副腎皮質刺激ホルモンを出すホルモン」を出します。
「CRH」は、下垂体を刺激して、
ACTHという「副腎皮質刺激ホルモン」を放出します。
放出された「ACTH」は、副腎皮質を刺激して、
副腎皮質そのものの肥大と、ストレスホルモンである、
副腎皮質ホルモン「コルチゾール」を分泌します。
この「コルチゾール」の分泌量が増えることによって、
高血圧、糖尿病、胃潰瘍、白内障などを引き起こします。
ちなみに、この「副腎皮質ホルモン」は、
薬にも使われる物質だったりします。
有名なものでは、「ステロイド」。
聞いたことがありますよね?
アトピー性皮膚炎や火傷の治療に使われています。
つまり、「副腎皮質ホルモン」は、
あなたや私のからだに必要な物質ですが、
分泌される量が多いと、からだに悪影響を及ぼす、
いわば諸刃の剣の存在なのです。
4.精神的なストレス経路
次に精神的なストレス症状を引き起こす経路を説明します。
(図の左側の話です)
外面的(物質的・化学的)ストレス、あるいは、
内面的(心理的・身体的&生理的)ストレス、が加わると、
それらが情報として、身体の中に張り巡らせた神経を通ります。
身体の中に張り巡らされた神経を通って、
最初に脳の「視床」に行きます。
次に、大脳皮質あるいは大脳辺縁系を介して、
ストレス中枢の視床下部にある「室傍核」に届きます。
ここまでは「身体的なストレス経路」と同じです。
ここから違うのは、届いた情報は、
脳幹という場所にある「縫線核」に行きます。
脳幹のほぼ中央にある「縫線核」には、
「セロトニン神経」があります。
徐々に「セロトニン神経」の働きを阻害することで、
「脳内セロトニン」の放出量と濃度が低下します。
「脳内セロトニン」が不足することにより、
やがて「うつ病」「パニック障害」「自律神経失調症」など、
精神的なストレス症状や病気が引き起こされてしまうのです。
ちなみに、セロトニン神経がある脳幹は、
脳の中でも最も深い位置に存在します。
最も深い位置に存在しているということは、
進化の歴史の中でも古い時代に構成されている、
つまりは、あなたや私の生命維持に関わる、
とても重要な場所なんですね。
次回は、「セロトニン神経」の役割と
それが具体的に「うつ」「自律神経失調症」にどう結びつくのか、
お話していきます。
「健康コラム」
1.ストレスとは?
2.ストレスの良し悪し
3.ストレスの「見える化」
4.ストレスの種類
5.ストレスが伝わる経路 ←★いまココ
7.セロトニン神経の習性
8.「抗うつ薬」は怖いのか?
9.セロトニン神経の活性方法(太陽)
10.セロトニン神経の活性方法(リズム運動)
11.セロトニン神経の活性方法(グルーミング)
12.【抗うつ薬】を勝手に止めてみた1
13.【抗うつ薬】を勝手に止めてみた2
14.【抗うつ薬】を勝手に止めてみた3
15.【抗うつ薬】を勝手に止めてみた4