6.セロトニン神経の役割

▼目次

  1. セロトニン神経とは?
  2. セロトニン神経の役割
  3. A.姿勢の維持
  4. B.痛みの軽減
  5. C.自律神経のコントロール
  6. D.平常心の維持

 

1.セロトニン神経とは?

前回は、「ストレス」の経路について、
2つあるとお話をしました。

 

精神的な影響を与える経路と、
身体的な影響を与える経路

 

そして、精神的な影響を与える経路の過程において、
「セロトニン神経」が衰弱して、
さまざまな精神的な症状や痛みを発症します。

 

今回は、「セロトニン神経」の役割についてお話します。

 

2.セロトニン神経の役割

「セロトニン神経」は脳内の縫線核に集中している神経です。
脳神経細胞が全体で1000億個超ある中で、
「セロトニン神経」は、数万個しかありません。

 

「セロトニン神経」には、
大きく4つの働きがあります。

  1. 姿勢の維持
  2. 痛みの軽減
  3. 自律神経のコントロール
  4. 平常心の維持

 

A. 姿勢の維持

あなたや私のように、
人間は地球の上で生活しています。

 

立つ、座る、歩く、寝るなどしながら、
常に地球の重力に対抗して、身体を支えて動いています。

 

その身体を支えているのが、
「抗重力筋」と呼ばれる筋肉たちです。

 

具体的には、脊柱起立筋(せなか)、腹直筋(おなか)
大臀筋(おしり)、ハムストリング(太もも裏)
腸腰筋(骨盤まわりについている)、などです。

 

この「抗重力筋」たちは、目が覚めてから持続的に収縮して、
姿勢を維持して整えて、目を閉じて寝ているときは弛緩して休みます。

 

「セロトニン神経」は、この「抗重力筋」につながる運動神経に、
直接、軸索と呼ばれる部位を伸ばして、刺激を与えています。

 

ところが「セロトニン神経」の働きが弱ると、
抗重力筋たちへの影響力も下がるので、
正しく美しい姿勢を維持するのが難しくなります

 

立っていることすら辛く感じ、
ゴロゴロしたり、すぐ座り込んだりするだけでなく、

 

顔の表情が乏しくなり、目に力がなくなり、
どんよりとして、だらしない印象を与えるようになります。

 

ちなみに、私も経験があるのですが、
精神科や心療内科の待合室へ行けば、一発でわかります。

 

みなさん、「セロトニン神経」が衰弱して、
「脳内セロトニン」が不足している共通の顔をしています。

 

B. 痛みの軽減

たとえば、あなたが身体的なストレスを受けたとします。
身体的なストレスは「痛み」として脳に情報が伝わります。

 

「セロトニン」には、痛みを軽減する、
鎮痛剤のような役割をしています

 

ただし、神経をマヒさせているのではなく、
「痛みを辛く感じさせない」様にしているのが特徴です。

 

痛みは正確に認識していますが、
「痛みの情報」を伝わらないように抑えています

 

これが「セロトニン神経」が弱ると、
痛みの情報を遮断する力も低下して、
ダイレクトの伝わるようになります。

 

なので、ちょっとして怪我や病気でも、
激しい痛みを感じるようなら、
「セロトニン神経」が弱っている可能性が高いです。

 

C. 自律神経のコントロール

あなたや私のように、人間は「交感神経」「副交感神経」という、
2つの自律した神経「自律神経」の働きによって支えられています。

 

「自律神経」は、文字通り、
人間の意志とは関係なく勝手に働く神経です。

 

心臓を動かして全身に血液を循環させるのも、
口に入れた飲食物を胃や腸などが消化・吸収するのも、
自律神経が働いてくれているおかげです。

 

この「自律神経」には、サイクルがあって、
起きて覚醒しているときには「交感神経」が優位に働き、
眠って休んでいるときには「副交感神経」が優位に働きます

 

そして、「副交感神経」から「交感神経」、
交感神経」から「副交感神経」へ切り替え(スイッチング)には、
「セロトニン神経」が重要な働きをしています。

 

なので、「セロトニン神経」の働きが弱ってくると、
自律神経の切り替えも乱れたり、上手く働かなくなり、
いわゆる「自律神経失調症」になります
(この話は、また改めて詳しくします)

 

D. 平常心の維持

結論から申しますと、
「セロトニン神経」が適度に働いていると、
「平常心」が保たれます

 

「平常心」が保たれることによって、
脳の働きを高いレベルで覚醒しながら、
能力を最大限引き出せるのです。

 

それは、ノルアドレナリン神経」と「ドーパミン神経」を、
暴走しないように、きちんとコントロールをしているからです。
(この話も、また改めて詳しくします)

 

なので、多少のストレスによる負荷がかかっても、
イライラしてキレたり、極度に落ち込んだり、
あるいは、テンションが上がり過ぎたりしません。

 

ところが、「セロトニン神経」が弱って、
「脳内セロトニン」の量が減ってくると、

 

コントロールが抑えられなくなって、
様々なものが暴走して、弊害が起こります。

 

こうして、脳内にある数万個の「セロトニン神経」が、
1000数億個の脳神経、いわば肉体・精神のすべての、
中枢の働きをしている訳です。

 

次回は、「セロトニン神経」の習性について、
お話をします。

 

「健康コラム」
1.ストレスとは?
2.ストレスの良し悪し
3.ストレスの「見える化」
4.ストレスの種類
5.ストレスが伝わる経路
6.セロトニン神経の役割 ←★いまココ

7.セロトニン神経の習性

8.「抗うつ薬」は怖いのか?
9.セロトニン神経の活性方法(太陽)
10.セロトニン神経の活性方法(リズム運動)
11.セロトニン神経の活性方法(グルーミング)
12.【抗うつ薬】を勝手に止めてみた1
13.【抗うつ薬】を勝手に止めてみた2
14.【抗うつ薬】を勝手に止めてみた3
15.【抗うつ薬】を勝手に止めてみた4

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